俺の名前は、向日 岳人。氷帝学園中等部に通ってて、学年は3年。部活はテニス部に所属している。
俺は、よく「バカで、カワイイ。」って言われる。でも、はっきり言って、嬉しくない。「バカ」は余計だし、それに、男が「カワイイ」って言われても、大して嬉しくないし。・・・そんな俺にも、好きな人っていう奴がいるわけで・・・。

 「岳人〜!おはよっ(抱き着き)。」
向日 「挨拶するだけの為に、毎朝×2抱き着くな!」

コイツは、同じ3年の 。俺達の部のマネージャーだ。・・・まぁ、認めたくないけど、俺の好きな人って奴。

 「だって、岳人カワイイもん!」

も、みんなと一緒で、俺のこと「バカで、カワイイ。」って思ってるに違いない。・・・くそくそ!

忍足 「岳人。毎朝見せつけられてる、俺の気持ちも考えてみ?・・・どうや。毎朝、抱き着かれる方が、全然マシやろ?」

コイツも同じく3年の、忍足 侑士。俺のダブルスのペアでもあり、親友でもある。

 「忍足も、おはよう。」
忍足 「おはようさん。なんか、俺、『おまけ』みたいやな・・・。」
 「そんなことないって・・・!いつも、相談にも乗ってもらってるしネ。・・・じゃ、今日も1日、頑張りましょう!」

マネージャーの仕事があるらしく、はさっさと、行っちまった。

忍足 「岳人。」
向日 「・・・なんだよ。」

俺達も朝練があるから、早く行かなきゃ跡部に怒られる、っていうのに、侑士は意味あり気に俺を呼び止めた。・・・まぁ、言いたいことは、大体わかってるけど・・・。

忍足 「今日、言うねんな?」
向日 「あぁ。」
忍足 「なんや。気の抜けた声出して・・・。ホンマに言う気あるんか?」
向日 「わかってるよ!」
忍足 「まぁ、頑張りや〜。」

昨日俺は、自分はバカかもしれない、と思った。


〜昨日〜

忍足 「岳人。明日、何の日か知ってる?」
向日 「・・・誰かの誕生日だろ。」

俺は、明日はの誕生日だ、ってことを知っていたけど、敢えて名前は出さなかった。

忍足 「なんや、岳人。知っとったんか〜。せっかく俺が教えようと、思っとったのに・・・。」
向日 「本人が言ってた。」
忍足 「へぇ〜、そうか。・・・で、なんか買ったん?」
向日 「別に。」
忍足 「自分は貰ったのに?」
向日 「いや、でも、あれは・・・。」

そう。俺は確かに、誕生日にプレゼントを貰った。「明日は、俺の誕生日だ〜!誰か、プレゼントくれよ!」って叫んでたら、次の日、が「岳人。くれる人がいないんだ・・・。」って言いながら、渡してくれた。だから、『同情』の気持ちでくれたんだと思う。(バカにしやがって!)

忍足 「どんな理由でも、貰ったことには、変わりあらへんねんし、お返しぐらいした方が、えぇんとちゃう?」

なんか、侑士の言うことって、説得力あるよな・・・。(関西弁だからか・・・?)

向日 「わかったよ。帰りに買う。」
忍足 「・・・なぁ、岳人。ついでに、告り。」
向日 「は・・・?」

いきなり、何を言い出すやら・・・。

忍足 「に告白しろ、言うてんねや。」
向日 「いや、それぐらい、わかってるけど・・・!なんで、そうなるんだよ。」
忍足 「告らへんかったら、俺がに、岳人の好きな人、教えるで。」
向日 「だから、なんで、そうなるんだよ!」
忍足 「告らへんねんな?・・・じゃ、明日、俺が言うで。えぇんか?・・・・・・・・・他人に言われるなんて、俺は、嫌やけどなぁ・・・。」
向日 「わかった×2!言うよ。言えばいいんだろ!」
忍足 「うん。言うたら、えぇよ。」

・・・しまった。これって、まんまと侑士に騙されてるじゃねぇか・・・!俺って、バカだ・・・。


まぁ、そういうことがあって、告白する羽目になってしまった・・・。

向日 「はぁ〜・・・。」

・・・・・・・・・もう、昼だ。俺は、まだ言っていない。・・・というか、侑士が悪い(悪くは、ないか・・・)。なんで、告白しなきゃ、ならねぇんだよ・・・!こうなったら、侑士に「告白しねぇからな!」って、言ってやる。

忍足 「岳人〜。言うたか〜?」

グッドタイミングだ!

向日 「おい、侑士。俺は、言わねぇからな。」
忍足 「急にどうしたん?岳人。」
向日 「俺は、絶対に言わねぇ。決めたんだ。」

そうだ。絶対に言わねぇぞ!

忍足 「ふ〜ん・・・。別に、えぇけど。・・・・・・じゃ、俺、に岳人の好きな人、教えてくるわ。」
向日 「・・・・・・・・・!」

言わねぇ・・・、言わねぇ・・・!

忍足 「、どんな反応するやろ・・・。」

・・・・・・・・・・・・・・・。

向日 「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
忍足 「ん?・・・どうしたん?」
向日 「本当に・・・、に言うのか?」
忍足 「昨日、約束したやん。・・・・・・・・・嫌なんか?」
向日 「ヴッ・・・。」
忍足 「岳人が自分で言うたら、言わへんけど。」
向日 「わ、わかった・・・。やっぱり、言うよ・・・・・・・・・。」

所詮、侑士(関西人)に、口で勝てるわけが無かった・・・。

忍足 「そうか。ほな、頑張りや〜!応援してるし。」

・・・くっ。なんか、むかつく・・・。くそくそ、侑士め!


〜放課後〜

忍足 「岳人、言うた?」
向日 「いや・・・。まだ。」
忍足 「いつ、言うつもりなん?」

いつになっても、言いたくねぇよ。

向日 「さぁ・・・。」
忍足 「さぁ、って・・・。でも、部活中ぐらいしか、もうあらへんやん。」
向日 「そうだな。」
忍足 「岳人。スゴイ棒読みやで。」

当たり前だろ、この関西人め!お前のせいで、こんな棒読みになんだよ!

向日 「そんなことねぇよ。」
忍足 「(岳人、怒ってるわ・・・。)まぁ、2人きりになれる機会を作ったるし、頑張り。」


 「岳人、忍足、お疲れ〜。はい、タオルとドリンク。」
忍足 「おおきに。」
向日 「サンキュ。」

今、俺と侑士は休憩中。

忍足 「。俺、ちょっとトイレに行ってくるし、跡部に『忍足はサボってない』って、言うといて。」
 「わかりました〜。」

・・・侑士の野郎。あぁ、もうこうなったら、自棄だ!

向日 「・・・あのさ、。」
 「ん?何?」
跡部 「おい。忍足はどうした?」

跡部・・・。なんか、良いような、悪いようなタイミングで現れたな・・・。

 「忍足は、トイレに行くって言ってた。だから、『忍足はサボってない』よ。」
跡部 「そうか。なら、いい。」
 「・・・で、岳人。何?」
向日 「いや、その・・・。」
芥川 「あ〜!疲れた〜!」
 「あっ、ジローちゃん。お疲れ。はい、タオルとドリンク。」
芥川 「うん。ありがと〜。」

ジロー・・・。お前と跡部、図って出てきただろ。せっかく、俺が決心した(自棄になった)のに・・・。

 「・・・で、岳人。さっき、なんて言おうとしてたの?」
向日 「あのさ・・・。」
忍足 「岳人〜。そろそろ、俺達の休憩時間、終わるで〜。」
向日 「わかった・・・。」
 「岳人・・・?」
向日 「また、後でな。」
 「うん。岳人、頑張ってね。」
向日 「おぅ。」

なんか、複雑な気分だ・・・。

忍足 「岳人、告れたか?」

人の気も知らねぇで・・・。そもそも、コイツのせいで、こんな目に遭ってんだ!

向日 「しようと思ったら、跡部が、侑士がどこに行ったのかを聞いてきて、そのあとジローが休憩に入って・・・、で、侑士が戻ってきた。」
忍足 「俺かて、早よもどらな、怪しまれるしやなぁ・・・。」
向日 「わかってるよ!別に、侑士のせいじゃねぇし。」
忍足 「(岳人、ホンマに言う気になってるやん!)まぁ、まだ時間はあるしな。」
向日 「だな。」


向日 「時間ある、って言ったのは、誰だよ?」
忍足 「誰やろうなぁ・・・。」
向日 「侑士だろ!」

今は、何時だって?今は、部活が終わったとこだよ!あぁ、もう。なんか、さっきから、イライラしてる・・・。侑士にキレても意味ねぇのに・・・。

忍足 「でも、マネージャーやねんし、まだコートにいるハズや。ほら、行ってきてみ。」
向日 「うわっ!」

俺は、うしろから侑士に押された。それが、あまりに突然だったから、俺はそのまま、部室から出てしまった。

忍足 「プレゼントは持ってるか?・・・ほなら、行ってよし!」

侑士は監督のマネをしながら、部室のドアを閉めた。

向日 「おい、侑士!開けろ!」

ドアを何度も叩いたが、開けてくれるわけも無かった。・・・こうなったら、行くしかないか。


 「あれ、岳人。どうしたの?」
向日 「いや・・・。今日の昼、言いかけてたことを言いに来た。」
 「わざわざ・・・?ありがと!」
向日 「別に。・・・はい、これ。今日、の誕生日だろ?」
 「覚えてくれてたの〜!すっごく、嬉しい!ありがとう。」

俺、さっきまで、イライラしてたのに、にこんなに喜んでもらえただけで、すっかり、機嫌が戻ってる・・・。やっぱり、俺、のこと好きなんだな・・・。

向日 「俺も貰ったし、な。」
 「岳人、それ気に入ってくれてる?」
向日 「だから、こうやって、毎日つけてんじゃねぇか。」

そう言って、俺は胸元の、羽のついたアクセサリーを、右手で揺らして見せた。

 「そっか。よかった。」
向日 「それに・・・。」
 「それに・・・?」
向日 「から貰った物を、毎日肌身離さず、持っておきたかったんだ。」
 「岳人・・・?」
向日 「俺、のことが好きなんだ。だから、これ、毎日つけてる。に貰ったから。・・・が、俺のこと嫌いじゃなかったら、俺のプレゼントを大切にしてほしい。」
 「うん・・・。」
向日 「、もう1度言うけど・・・。俺は、のことが大好きだ。」
 「うん。知ってる。」
向日 「・・・は?」

あの・・・。みんなに聞きたいことがあるんだけど・・・。普通、告白したら「Yes」か「No」だよな?それとも、俺がバカで、「知ってる。」という返事もあるのか?・・・あるいは、俺の態度はバレバレだったのか?

 「だって、忍足に聞いてたし。」
向日 「なに〜!」

アイツ、告白しなかったら、に言うとか言ってたくせに・・・!告白する前に言ってんのかよ!

 「ゴメン。実は、ずっと前から知ってた・・・。」
向日 「じゃあ、なんでから・・・!」

なんで、から告白しなかったのか、そう質問しようとした時・・・。

忍足 「岳人。それは、乙女の気持ちを考えな。は、自分で言うより、岳人の方から言ってほしかったんや。」
 「はい、全く、その通りであります。」
向日 「・・・待てよ!なんで、侑士がここに・・・!」

どこから、出てきたのか、なぜか侑士がここにいた。

忍足 「これが俺からの、へのプレゼントや。」
向日 「ど、どういうことだよ・・・。」
忍足 「つまりや。俺はと岳人を見とって、『この2人、お互い鈍いし、しかも告る勇気は無さそう。でも、絶対両想い。』と思ったわけや。そしたら、案の定、両想いやった。そやから、どちらか片方に相手の気持ちを教えよう、思ったんや。」
向日 「じゃ、なんで俺に・・・!」
忍足 「そう。初めはどっちに言うか、迷ってた。でも、岳人はいつまで経っても、素直にならへんし、に言うた。で、ある日、に・・・。」
 「『忍足。誕生日プレゼント頂戴。』って言った。忍足は最初、『なんで?』っていう顔してたけど・・・。」
忍足 「に『物じゃなくて・・・、その・・・。』って言われて、あぁ、岳人のことや、って思って、この作戦が思い付いたんや。」
向日 「じゃあ、はじめから・・・!」
忍足 「これは、俺の仕組んだことやってん。だから、ここにもいる。これで、納得できたか?」
向日 「できねぇよ!」

オカシイじゃねぇか!それじゃ、俺はやっぱり、侑士にはめられてて・・・。しかも、も実は、侑士の味方で・・・!

 「だって、どうしても岳人から、告白してほしかったから・・・。ゴメン!」

あぁ、もう。にこんな顔されたら、許したくなくても、許しちまう!

向日 「いいよ、別に。」
 「岳人〜!ありがとう!ホント、両想いになれて、嬉しい!これも大事にするから!」

は、俺のあげたプレゼントを、いつの間にか箱から出していた。そう、俺のあげたプレゼントは、ハートのついたアクセサリー。に似合うと思ったから。それに、俺の気持ちを表した、っていうのもある。

忍足 「岳人も、かわいらしいこと考えるなぁ。ハートか〜・・・。」
向日 「うっせーよ!」

っていうか、コイツ、に協力してたとは言え、いつまでいるんだ・・・?そう、思ったら、侑士が・・・。

忍足 「あっ。俺、邪魔やな〜。ほな!」

と言って、帰った。まるで、俺の考えが読めてるようで怖い。まぁ、たしかに邪魔だったしな。(←俺って、ヒデェー!)

 「岳人、ホントありがと。」

はさっきから、「ありがとう」というセリフを何度言ってるだろう。そんなに嬉しいのか・・・。まぁ、俺も実は、飛び跳ねたいくらいに嬉しいけど。

向日 「いや・・・。」

「いや、俺の方こそ。」って言おうと思ったけど、それは、なんかオカシイ感じがしたから、やめたけど。

 「さっき、告白してくれた時、岳人・・・。すっごく、カッコよかった!」

俺は、カッコイイと言われたのが、これが初めてだ、と思った。で、結局俺は言った。

 「ありがとな、。」


俺は、よく「バカで、カワイイ。」って言われる。でも、はっきり言って、嬉しくない。「バカ」は余計だし、それに、男が「カワイイ」って言われても、大して嬉しくないし。だけど、俺はに「カッコよかった!」と言われた。好きな人に言われる、っていうのはすごく、嬉しい。
俺は、『バカ』には、なってるかもしれないな、と思った。













 

私は、『男前がっくん』を目指したいのですよ!!それなのに・・・。タイトルから、「Foolish」って・・・orz
でも!あくまで「Foolish『?』」と疑問系なのです!!(笑)だから、私は男前を目指したつもりです・・・!
それに、この作品はかなり古いんですよ。滝さんの「In The Rain...」と同じくらい古いです。もしかしたら、こっちの方が古いのかもしれないなぁ・・・。
というわけで、一応、やや修正はしましたが、何かおかしい部分がありましたら、すみません・・・(苦笑)。

あと、誕生日ネタですが。向日さんの誕生日より早いよ!って方は、2年生で、向日さんの誕生日にプレゼントをした、とお考えくださいませ。
そして、向日さんより後生まれだ!という方は、3年生で、向日さんにプレゼントしたとお考えください♪